東京五輪談合事件 大会組織委元次長に有罪判決 見えない「再発防止」の動き

内閣官房参与の宮家邦彦と数量政策学者の高橋洋一が12月13日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。東京オリンピック・パラリンピックをめぐる談合事件について解説した。
東京地裁に入る大会組織委員会大会運営局元次長の森泰夫被告=2023年7月5日午前、東京都千代田区(代表撮影) 写真提供:産経新聞社
12月12日、東京オリンピック・パラリンピックをめぐる談合事件で、独禁法違反の罪に問われた大会組織委員会の大会運営局元次長・森泰夫被告に対し、東京地裁は懲役2年、執行猶4年の有罪判決を言い渡した。
飯田)裁判長は「発注者側の幹部としての影響力を背景に受注調整を主導し、中核的な役割を担った」と述べています。森被告は既に容疑を全面的に認めており、弁護士も情状酌量を求めていたそうです。
受注調整等は当然、法律に触れるところがありました。他方、初公判では起訴事実を認めつつ、森被告は被告人質問のなかで「大会で大きな混乱が生じていた」と述べています。弁護側も「失敗が許されない大会で準備が遅れるなか、大会成功への期待や重責を一身に背負い犯行に及んだ」とし、寛大な判決を求めていたそうです。
一般競争入札だと不調になるか、あるいは赤字覚悟で入札しても、工期が遅れてしまっては怖い。一方で随意契約になれば、それはそれで各方面から批判にさらされる可能性があり、この人がいろいろなものを背負いこんでしまったのではないか、とも指摘されています。もちろん法に触れたところは申し開きもできませんが。
宮家)いかにも日本的な問題だと思います。光り輝くオリンピック・パラリンピックの対外的なイメージと、一方では国内に闇がある。このギャップというか……。政治資金の話で霞んでしまった感じですが、非常に重要な問題です。執行猶予付きの有罪が出たこと自体はいいかも知れませんが、再発防止をどうするのかが私には見えません。
飯田)入札不調になってもいけない。ある意味でこの人が開き直り、「いまの仕組みであれば当然遅れます」と言えたらよかったのかも知れませんが、そういうわけにもいかなかった。
高橋)いまはプロポーザル方式など、いろいろ方法があるのですが、そういうことは考えつかなかったのでしょうか。
飯田)仕組みとしては、別の方法もあったかも知れない。

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