複数の看護師による入院患者への暴行事件が起きた東京・八王子市の滝山病院について、原因究明を進めていた第三者委員会は、“経営陣や院長の怠慢と無責任に原因の一端がある”などとする調査報告書を公表しました。
八王子市の精神科病院「滝山病院」で起きた暴行事件をめぐり、外部の弁護士による第三者委員会は18日、原因の究明や再発防止策の提言を目的とした調査報告書を公表しました。
報告書では、今回のような事件が起きた背景に滝山病院では現場よりも利益を優先した経営が行われていたことから、患者の人権を軽視する土壌を生んだ可能性があると指摘しています。その結果、一部の職員に「コンプライアンス意識や人権意識の欠如」が生じ、入院患者への暴行事件が起こったとしています。
また、多くの職員が非常勤で働いているため、患者に対する責任感が希薄になり、問題を見つけても「見て見ぬふり」をすることにつながった可能性があるとも指摘しています。
報告書では、このような状況を招いたのは、“経営陣や院長の怠慢と無責任に原因の一端がある”として、▼経営陣が人権意識を高めるための研修を受講することや、▼職員との定期的な面談を行い、風通しの良い職場環境をつくること、▼常勤の職員による看護体制の整備などを行うよう求めています。