愛媛県新居浜市の住宅で2021年、親子3人を殺害したとして、殺人罪などに問われた住所不定、無職河野智被告(56)の裁判員裁判で、松山地裁(渡辺一昭裁判長)は18日、求刑通り無期懲役の判決を言い渡した。
判決によると、河野被告は21年10月13日、新居浜市の岩田友義さん(当時80歳)方で、友義さんと妻アイ子さん(同80歳)、三男の健一さん(同51歳)の胸をナイフ(刃渡り12・7センチ)で突き刺すなどして殺害した。
公判の争点は刑事責任能力の有無で、検察側は論告で、精神障害の影響を認めた上で「自らの行動の意味を理解していた」と心神耗弱を主張。弁護側は「動機は妄想に由来し、正常な心理は機能していなかった」と無罪を求めていた。