【速報】ペットボトルなどで母親が殴られ死亡 娘に実刑判決 背景に宗教などの入信

水入りのペットボトルなどで母親を執拗に殴り、急性心停止に陥らせて死亡させた娘(39)。大阪地裁堺支部は懲役5年6か月の実刑判決を言い渡しました。判決によりますと、堀尾英子被告(39)は去年10月、大阪府泉大津市のホテルの一室で、母親の堀尾良子さん(当時71)を、水入りのペットボトルや栄養ドリンクの瓶で多数回殴りました。良子さんは、内臓破裂や巨大な皮下筋肉内血腫が生じたりして、体内を循環する血液量が減少。急性心停止により死亡しました。裁判で英子被告は「間違いありません。私が母を死なせてしまったことに対して、母に申し訳ないと思っています」と起訴内容を認めていました。裁判では事件に至る“家族崩壊”の経緯が明らかになりました。被告人質問によれば、良子さんは約30年前に旧統一教会に入信。その後脱会するも、別の新興宗教に入信し、英子被告とその妹も信仰を始めたといいます。しかし、約10年前にその新興宗教の担当者が“良子さんが堀尾家に生霊を入れてしまったので、今後来てもらっては困る”と退会を迫り、そのうえで妹に対し、“氏族の救い主になってほしい。そうしないと良子さんと英子被告の魂が消滅する”と告げたといいます。これ以降、家族内では妹が支配的立場になったといいます。堀尾英子被告(被告人質問にて)「私と母は、妹に神様が働いていると感じるようになりました」「妹の言うことを聞いたら、生霊が自分の中からなくなって、魂の消滅からまぬがれる…そういう気持ちで私と母はいました」その後、妹は“生霊を出しているから”と母親を強く疎むようになり、事件の約2か月前から、実家を出てホテル暮らしを開始。英子被告もそれに伴い実家を出て、妹の世話をするようになったといいます。しかし、妹は“英子被告も生霊を出している”と主張したため、英子被告は妹の世話をする以外の時間は、インターネットカフェで過ごしたり、野宿をしたりしていたということです。そして去年10月、“母親と完全に縁を切りたいので、2人で話し合ってほしい”と妹が英子被告に依頼。英子被告は、妹が宿泊していたホテルの隣のホテルに良子さんを呼び出し、絶縁を迫ったものの、良子さんが納得せず激しい喧嘩に発展。英子被告が水入りのペットボトや栄養ドリンクの瓶で過激な暴行を加えるに至りました。弁護側は、起訴内容は争わなかったものの「事件当時、堀尾被告は心神耗弱状態にあった」として、執行猶予付きの判決を求めていました。大阪地裁堺支部は12月18日、「被害者から攻撃される可能性を想定して、自衛のために水入りペットボトルを持ち込んだり、暴行後に興奮が収まるや救護措置を取ったりしているなど、思考過程に異常な点はない」などとして、被告の完全責任能力を認定。「家族の宗教観に振り回わされ、精神的に追い詰められていた点に同情の余地はあるが、痛がる被害者を意に介さず、凶器を持ちかえ執拗かつ苛烈な暴行に及んだ。衝突回避のために他の手段も取り得たはずで、酌量の余地は乏しい」として、堀尾英子被告に懲役5年6か月の実刑判決を言い渡しました。

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