福岡県警筑後署(筑後市山ノ井)の駐車場で5月、進入してきた乗用車が警察車両に衝突し炎上した事件で、乗用車の車内からカセットボンベ約80本が見つかっていたことが、捜査関係者への取材で判明した。県警は死亡した運転手の男性会社員(当時25歳)=同市熊野=が事前に準備し、放火して延焼を広げようとしたとみて調べている。
乗用車は5月25日午後3時15分ごろ、署の正面入り口から駐車場内に進入。警察車両に追突するなどした後、男性が運転席で放火したとみられる。男性は全身にやけどを負って救急搬送され、同日夜に死亡が確認された。
捜査関係者によると、車内にはカセットボンベ約80本と液体燃料の携行缶1本、木材や紙が積まれていた。
男性は事件の2日前、「妻ともめている」と110番。その前日、男性宅で壁の一部が焼けた。事件当日は火災の実況見分があり、県警が男性の妻を警察車両に乗せて訪れたが、男性がにらんでいるように見えたため、車から降りずに署に引き返したところ、男性が乗用車で追いかけてきたという。【河慧琳】