奈良・三郷町長を官製談合防止法違反で在宅起訴 大阪地検特捜部

奈良県三郷(さんごう)町発注の入札を巡り、業者に設計金額を漏らしたとして、大阪地検特捜部は21日、森宏範町長(64)を官製談合防止法違反で在宅起訴した。また別の入札を妨害したとして、水口洋司・町環境整備部長(54)▽山崎充弘・町都市建設課長(53)▽建設会社「山岡組」(同町)の山岡告章(こうじ)役員(55)――の計3人を同法違反と公契約関係競売入札妨害の罪で在宅起訴した。
起訴状によると、森町長は2020年10月にあった保育園建て替え事業の一般競争入札で、山岡組とは別の町内の業者に非公表の設計金額を漏えい。水口部長と山崎課長は21年5月~23年8月の計5件の入札で、山岡役員に依頼されて入札参加希望業者の情報を漏らしたなどとされる。特捜部は、森町長と懇意だったとされる山岡組を中心に業者間で受注調整が繰り返されていたとみている。
特捜部は4人の認否を明らかにしていないが、森町長は21日に記者会見し、「おおむね事実です」と認めた。動機については「公判で説明する」と述べるにとどめ、進退も明言しなかった。
特捜部は10月、町発注の入札で不正が疑われるとして、町役場や山岡組などを家宅捜索していた。【古川幸奈、高良駿輔】

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