大阪府泉南市議会の一般質問で添田詩織(そえだ・しおり)市議が中国出身の国際交流員に言及した内容が差別的だとして市議会が謝罪を求める決議をした問題で、添田氏が市に決議の取り消しと330万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が22日、大阪高裁であり、黒野功久(よしひさ)裁判長は請求を退けた1審大阪地裁判決を支持し、添田氏の控訴を棄却した。
黒野裁判長は1審に続き、「決議は意思決定に過ぎず、特段の法的効果はない」と判断。決議が名誉毀損(きそん)か否かは「市議会の自律的判断を尊重すべきで、判断は差し控えるのが相当」とした。
判決によると、添田氏は昨年7月の市議会で、中国政府が国民に情報活動への協力義務を課す「国家情報法」を踏まえ、国際交流員に関して「市民目線でいえば、半分公務員のような職業に中国籍の方が就くのは大丈夫か、怖いという声をもらっている」と発言。これに対し市議会は同月、「謝罪及び反省を求める決議」を可決した。