首相、麻生氏依存強まる 安倍派不在、人事で配慮

自民党派閥の政治資金パーティーを巡る事件を受け、岸田文雄首相の麻生太郎副総裁に対する依存が顕著になっている。最大派閥・安倍派の閣僚や党幹部の交代人事の前に2人きりで会談する場面が目立ち、麻生派の閣僚数は閣内で単独首位になった。首相は低支持率にあえぐ中、党内第2派閥を率いる麻生氏に配慮しながらの政権運営となりそうだ。
14日の閣僚交代に先立つ9、10両日、首相は党幹部と相次ぎ個別に会談した。麻生氏とは9日夜、公邸で2時間以上にわたり意見交換。茂木敏充幹事長らと会ったのは10日で、麻生氏との間で人事構想をほぼ固めた上で他の幹部に意向を伝えたとみられている。
麻生氏とは、安倍派の萩生田光一前政調会長らの辞任を22日に控えた18日と20日にも官邸で個別に会った。人事を含む善後策を議論したもようだ。
閣僚人事では、就任を断る事態が続出。総務相には9月まで務めていた麻生派の松本剛明氏が再登板した。「当初の構想に松本氏は入っていなかった」(関係者)といい、麻生氏の首相を支える姿勢が反映された形だ。

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