自民党派閥のパーティー収入を巡る政治資金規正法違反事件で、最大派閥「清和政策研究会」(安倍派)だけでなく「志帥会」(二階派)も、議員側へのキックバック(還流)の金額などを記した一覧表を作成していたとみられることが23日、関係者への取材で分かった。
東京地検特捜部は19日に同法違反(不記載・虚偽記載)容疑で安倍派と二階派の派閥事務所を捜索。押収した資料を分析するとともに、会計責任者らから任意で事情聴取するなどして資金の流れなどを調べている。
関係者によると、安倍派と二階派では派閥のパーティー券について所属議員の当選回数や役職によって販売のノルマが設けられ、それを超えて売った収入を議員側に還流させていた。安倍派は派閥側が議員ごとの販売額やキックバックの金額をまとめた一覧表などを作っていたが、二階派でも同様の表が作成されていたという。
ノルマ超過分について、安倍派は派閥の収支報告書に記載せず、二階派は議員側への支出のみ記載していたとみられる。派閥側の不記載・虚偽記載額は、時効にかからない2022年までの5年間で安倍派が約5億円、二階派は1億円以上に上る可能性がある。
両派の会計責任者は、任意の事情聴取に不記載などを認める供述をしているという。特捜部は、政治資金規正法違反容疑での立件を視野に実態解明を進めている。
[時事通信社]