東京都江東区長選を巡る公職選挙法違反事件で、木村弥生前区長(58)=辞職=の票の取りまとめのために区議らに現金を配るなどした疑いが強まったとして、東京地検特捜部が公選法違反容疑で、木村氏を支援していた元法務副大臣、柿沢未途衆院議員(52)=自民党離党=を立件する方針を固めたことが23日、関係者への取材で分かった。上級庁と協議し、最終判断するもようだ。
関係者によると、柿沢氏は特捜部の任意の事情聴取に対し、現金の配布を認めた上で、区議選の陣中見舞いだったなどとして、区長選の買収の趣旨は否定している。
江東区長選では木村氏のほかに山崎孝明元区長の長男で元自民党都議の一輝氏(51)が出馬。自民党都連が山崎氏を支援する保守分裂選挙となっていた。
特捜部の任意の事情聴取に対して複数の区議が買収を認めたほか、現金を配った時期が木村氏の立候補表明後で、配布先が木村氏の支援に消極的な区議らに集中していたことなどから、特捜部は柿沢氏の配った現金に区長選の買収の趣旨が含まれている疑いが強いと判断したとみられる。
特捜部は木村氏が区長選中に違法な有料広告を配信した疑いで10月、区長室などを捜索。11月には柿沢氏の地元事務所、今月14日には柿沢氏の衆院議員会館事務所などに捜索先を広げていた。
柿沢氏側を巡っては木村氏陣営スタッフに数十万円の報酬を支払っていたことが判明。柿沢氏は有料広告配信を木村氏に勧めたことを認めており、特捜部は広告配信などにも関与した疑いがあるとみて調べている。