日本の月面探査機「SLIM」、月周回軌道へ投入成功…1月20日に月面着陸挑む

宇宙航空研究開発機構( JAXA )は25日、月面探査機「 SLIM 」が月の周回軌道に投入されたと発表した。SLIMは今後、徐々に月に近づきながら高度を下げ、来月20日未明に月面着陸に挑む。成功すれば、旧ソ連、米国、中国、インドに続く5か国目の快挙となる。
SLIMは今年9月7日、鹿児島県の種子島宇宙センターから、「H2A」ロケットで打ち上げられた。その後、燃料消費が少ない軌道を選びながら、約4か月間かけて飛行。JAXAによると、探査機は25日午後4時51分、月の周回軌道への投入に成功した。
計画では、来月20日午前0時頃に降下を始め、約20分後に赤道付近にある「 神酒 の海」のクレーター近くに着陸する。着陸時は、搭載されたカメラで撮影した月面の画像と、月面の地図データを照合することで、探査機の位置や速度を自動修正。誤差100メートル以内の「ピンポイント着陸」を世界で初めて試みる。
こうした高精度の着陸技術は、将来の月面開発で資源探査などをする際に必要となる。JAXAの坂井真一郎プロジェクトマネージャは「飛行機の数倍の速度で北海道の新千歳空港の上空を通過後、急速に減速して甲子園球場に着陸させるような難しさだ」と話す。
月面着陸を巡っては今年、JAXAの超小型探査機「オモテナシ」と、宇宙企業「アイスペース」(東京)の着陸船が目指したが、いずれも目的は達成できなかった。SLIMの挑戦は、日本勢として3度目となる。

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