鹿児島県・奄美群島が日本に復帰して70年を迎えた25日夕、奄美市の名瀬小学校で、市と市民団体共催の集会が開かれた。安田荘平市長は「平和な暮らしの尊さを伝えることは、今を生きる私たちの責務だ」とあいさつした。
集会には約1600人が参加。地元生徒を代表し、名瀬中学2年の杉本寛喜さん(14)は「先人が守った文化を絶やすことのないよう、受け継ぐことが使命だ」と思いを述べた。
集会後は、復帰当日に行われたちょうちん行列が再現された。小中学生を含む800人超が、ちょうちんを持って市中心部を練り歩き、沿道に手を振ったり、指笛を吹いたりして復帰を祝った。
同日午前には、市民団体「奄美群島の日本復帰運動を伝承する会」などの代表らが同市のおがみ山公園に集まった。復帰運動の中心に立った詩人・泉芳朗の銅像に献花し、同会の安原てつ子副会長(70)は、復帰までの歴史について「ずっと語り継いでいかなければならない」と力を込めてあいさつした。
[時事通信社]