茨城県日立市役所前の障害者支援バザーと東海村役場に車が突っ込んだ事件で、村役場への建造物損壊容疑で逮捕された益子泰容疑者(53)=日立市=が、以前から親族に「公共の場所に車を突っ込んでやる」と話していたことが、捜査関係者への取材で明らかになった。バザーの開催を事前に知っていたといい、県警は大勢がいる場で意図的に車を暴走させたとみて、28日にも3人以上にけがをさせた殺人未遂容疑で再逮捕する方針を固めた。
以前から親族に「突っ込んでやる」
捜査関係者によると、益子容疑者は親族や母親と金銭面や生活面でトラブルを抱えており、親族らはもめた際に「突っ込んでやる」と言われた旨を県警に証言しているという。
益子容疑者は、東海村の核燃料加工会社「ジェー・シー・オー(JCО)」による臨界事故(1999年)を挙げ、「事故の影響で体調が悪くなった」「東海村に恨みがあった」とも供述しており、県警は複合的な要因を背景に事件を起こしたとみている。
益子容疑者は「市役所でバザーを開いていることを事前に知っていた」と供述しているという。ただバザーに突っ込んだのは母親の用事に付き添い出掛けている最中で、計画的にバザーの参加者や市役所を狙った可能性は低いとみられる。
益子容疑者は6日午後1時ごろ、市役所前広場のバザーに突っ込み少なくとも3人に重軽傷を負わせ、車を乗り換えて約30分後に村役場にも突っ込んだとされる。【西夏生】