JR京葉線(東京-蘇我)の通勤快速などを廃止する来年3月16日のダイヤ改正問題で、千葉県一宮町の馬淵昌也町長が27日、臨時の記者会見を開いた。JRの対応には朝晩の通勤で都心に向かう地域住民への配慮がなく、利便性が損なわれるとして強い抗議の意思を示した。近くJR東日本千葉支社側に直接、ダイヤ改正の早急な撤回を申し入れる。
「京葉線内の乗車率の平準化を図ろうと、JRが千葉以東の(鉄道交通の)速達性を根っこから奪うのは容認できない」
馬淵町長はこう語った。
一宮町にはJR外房線の上総一ノ宮駅がある。朝の通勤時間帯には都心に向け、京葉線直通の快速や通勤快速が走るが、ダイヤ改正で廃止され、各駅停車に切り替わる。
26日に馬淵町長はJR側と町役場で面会し、こうしたダイヤ改正の説明を受けた。JR側はその場で「快速縮小の代わりに朝の早い時間に特急を特別に1本、増発するので、何とかなりませんか」と理解を求めた。これに対し、馬淵町長はJR側が何ら快速減少に向けた緩和措置もなく突然、ダイヤ改正に踏み切ったことに反発。話は平行線をたどったという。
馬淵町長はこの日の会見で、「これまで通勤時の速達性を前提に生活を形成してきた住民から速達性を全部、奪い取るのは、公共交通機関としての役割をかなぐり捨てた暴挙だ」と厳しい口調で批判した。
県や千葉市がJRへの反発を強める中、馬淵町長は熊谷俊人知事や外房線沿線の大網白里市の金坂昌典市長とも連絡を取り合ったことを明かした。
会見では「地域を預かる身として一緒にJRに是正を求めたい」と語った。