石川県能登地方を震源とする地震で、最大震度6弱を観測した新潟県では負傷者や体調不良を訴えた人が計21人に上った(2日午後2時半現在)。見附市消防本部によると、同市の60代男性が自宅で転倒し、右足骨折の重傷という。また国土交通省によると、上越市茶屋ケ原の国道8号の道路脇で幅約80メートルの範囲にわたって土砂崩れが発生し、道路に土砂が堆積(たいせき)。上下線とも通行止めになった。
震度5強を観測した新潟市西区では路面の陥没や液状化が発生。新潟西郵便局の駐車場では車が地面から噴き出た水につかっていた。近隣の住民は2日朝から崩れた車庫の壁の撤去や、地中から出てきた土砂を取り除く作業に追われた。
「ぐらんぐらんと揺れた。体感では2007年の新潟県中越沖地震より強くて長かった」。西区の女性はそう語る。地震発生時は自宅2階におり、ステレオセットが棚から落下。本棚の本も床一面に落ちた。70代の母親と家を出て避難し、2日朝に自宅に戻ったが、バルコニーが斜めに傾いた自宅に目をやり「これからどうすればいいのか」と立ち尽くしていた。
山形県では1日午後7時8分に酒田市の酒田港で80センチ、市内の離島・飛島で午後5時52分に40センチの津波を観測した。県内でけが人や建物被害は確認されていない。県警によると、飛島では島民約80人が高台に避難。パトカーなどで高齢者らをピストン輸送したという。【内田帆ノ佳、田倉直彦、熊田明裕】