石川県で震度7を観測した能登半島地震の発生から3日目となった3日も、同県では数万戸単位で停電が続いている。自宅の家電などの電源をオンにしたまま避難した人も多いとみられるが、過去の大規模地震では、停電解消後の再通電時、破損した配線などから発火する「通電火災」が確認されており、対応に注意が必要だ。
電力会社の集計によると、3日午後2時現在、石川県では約3万2800戸が停電。現状は多くの住民が避難所などに身を寄せているとみられるが、自宅の倒壊や焼失などを免れたケースでは、インフラの回復に伴って帰宅する人も増えていくとみられる。
総務省消防庁によると、過去には平成7年1月の阪神大震災や23年3月の東日本大震災などで通電火災が発生。主な原因は、①揺れなどによりヒーターなどがカーテンやじゅうたんといった可燃物に触れた状態になり、通電した際に着火する②損傷した配線から通電時に電気的な火花が出て、漏れ出ていたガスに引火して爆発するーなどだという。
避難時点でブレーカーを落としたり、電源プラグを抜いたりするなどの対応を取っている場合は通電火災は起きづらいが、今回は最大震度7を観測する大規模地震であることに加え、津波警報が発令されたことから、着の身着のまま避難した人も多いとみられる。
同庁は、こうした対応を取れずに電気やガスが復旧、避難所から自宅へ戻った際の注意点として、①電化製品や配線などに破損がないことや、近くに燃えやすいものがないことを確認する②ブレーカーを上げた後、しばらくは電化製品に煙や臭いなどの異常が起きないか確認するーなどを挙げている。