羽田事故の調査本格化、警視庁が滑走路検証 着陸許可「復唱」と日航

Nobuhiro Kubo Kaori Kaneko
[東京 3日 ロイター] – 2日午後に起きた日本航空と海上保安庁の航空機衝突事故を受け、警視庁は3日、滑走路の検証を開始した。運輸安全委員会も現地に調査官を派遣しており、原因究明に向けた調査が本格化した。
警視庁広報によると、特別捜査本部を東京空港署内に設置した。すでに滑走路の検証を開始。関係者への聴取も進める。
運輸安全委員会は2日のうちに6人を東京の羽田空港へ派遣しており、まずは現場で機体を詳しく調べ、乗員や管制官など関係者への聞き取り調査も行う。安全委の広報によると、通常は報告書がまとまるまで数カ月から1年かかるという。
日航側は3日未明、乗員から聞き取った情報として、「管制からの着陸許可を認識し、復唱した後、進入・着陸操作を実施した」と発表した。北海道の新千歳空港の出発時と飛行中に機体の異常はなかったとしている。
海保は2日夜の会見で、午後5時55分ごろに海保機の機長から滑走路上で機体が爆発したとの連絡があったと明らかにする一方、同機が滑走路で何をしていたのかは現時点で情報がないと説明していた。
日航が使用していたA350のメーカー、欧州航空機大手エアバスと仏航空事故調査局は専門家チームを日本へ派遣する。3日に到着し、日本の調査を支援する。
日本の国土交通省によると、事故は2日午後5時47分ごろ発生。羽田空港に着陸した日航516便が、C滑走路上で海保のMA722固定翼機と衝突した。日航機の乗客・乗員は379人全員脱出。海保機は機長1人が脱出したものの、残る5人は死亡した。
日航の3日未明の発表によると、脱出時に機内のアナウンスシステムが動作せず、客室乗務員がメガホンと肉声で乗客を案内した。安全に脱出できる出口を客室乗務員が判断し、3カ所の非常脱出口から全員が脱出したとしている。
*写真キャプションを修正して再送します。

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