能登半島地震の被災地である石川県志賀町富来領家町のドラッグストア「ゲンキー 富来店」では品物が散乱する店内に、水や食料品を買い求める住民らが詰めかけた。店内を片づける前に店を開けたという。白山市から家族4人で同町の実家に帰省中だった自営業の男性(46)は計24リットルの水を購入した。「地震発生直後から断水が起きているので、とにかく水が足りない。買った分もすぐになくなってしまうだろう。早く復旧してほしい」と焦る様子だった。
また、七尾市亀山町に住む70歳代の女性は水不足のため、ヤカンを持って近隣住民に水をもらおうと、周辺を歩き回った。「どこで水をもらったらいいのかわからない。自販機で飲料水は買えるが、風呂は入れない」と途方に暮れていた。
同市では、営業を休止するガソリンスタンドが相次いだ。営業している同市の国道沿いのスタンドでは、少しでも給油しようと、車約150台が長い列を作った。
海辺の同市大田町に住む60歳代男性は、昨晩は高台に避難し、そのまま車中泊をしたため、ガソリンのメーターは残りわずかだという。ガソリンを求め、約1時間並んでいる。男性は「ガソリンがないと避難も車中泊もできない。今晩もどうなるか分からない」と不安をにじませていた。