石川県では週末に雪の予報も 津波の第一波が地震発生と“同時刻”の理由とは 能登半島地震【news23】

能登半島地震の被災地では、週末から月曜日にかけて寒気がピークを迎える見通しです。寒さをしのぐ対策などを気象予報士がお伝えします。
また、今回の地震における津波の危険性について、災害担当の解説員が、解説します。
5日の夜は雨の可能性 少しの雨でも土砂災害に警戒が必要
気象予報士國本未華さん:寒さに、大雪に、さらに土砂災害も引き続き警戒が必要となりそうです。
目先の冷たい空気、上空の寒気の予想ですけれども、週末にかけて一層強まる見通しです。
特に1月7日(日)の後半から8日(月)にかけて、強い寒気のピークとなりそうです。
2023年12月の後半に流れ込んだ平地でも大雪を降らせたような強さの寒気がまたやってくるということになりそうです。
また雪の範囲も広がっていきます。詳しく、日を追って見ていきます。
5日(金)の天気は、西日本や東日本は晴れて、北陸周辺も多少、日が差す時間もありそうです。
ただ、5日(金)の夜から、にわか雨の可能性が出てきます。少しの雨でも土砂災害に警戒が必要となりそうです。
そして6日(土)になると、雨の範囲が広がってきそうです。
7日(日)は雪の予報 日中でも気温は5℃に届かない見通し
まだこの段階で強まるのは局地的な雨という地域が多いんですが、7日(日)になると雪の予報が広がりそうです。
このタイミングでは能登半島周辺でも、時間とともにどんどん雪が積もっていく見通しになっています。
藤森祥平キャスター:つまり、寒さが一気に厳しくなるということですよね。
気象予報士國本未華さん:まず5日(金)の朝は、前日の朝よりも一段と冷えそうなんですが、その後は、寒気の強まりに伴って、7日(日)から8日(月)が、寒さの底になりそうです。
日中でも5℃に届かないような厳しい寒さになりそうです。
藤森キャスター:そして風ですね。
気象予報士國本未華さん:この風によって、より一層体温を奪われるという心配があります。
また避難所にあたる体育館などは、床が非常に冷たいこともあって低体温症などの危険性もあります。
新聞紙などを体に巻くと保温効果あり
藤森キャスター:少しでも寒さを和らげるためにどんな対策がありますか。
気象予報士國本未華さん:できる限りということになってくるんですが、雨や雪に濡れないように屋内にいるということ(体を濡らさない)。
さらに、ごみ袋をかぶったり、新聞紙を体に巻くと保温効果があるので、できる限り対策をなさってください。
藤森キャスター:そういったものがあれば、という点でもありますが、ぜひ活用していただきたいですね。寒さにご注意ください。
なぜ早く到達?津波の第一波は、地震発生と“同時刻”
藤森キャスター:そして、今回の地震の津波についての危険性です。
とにかく今回は予報から到達までが早かったということなんですよね。地震発生は1日16時10分です。その2分後には津波警報・注意報が出されました。
〈1月1日地震・津波情報〉
・16:10地震発生・16:12津波警報/津波注意報発表・16:22津波警報→大津波警報へ
さらに10分後、津波警報は大津波警報に変わったわけなんです。
そして第一波の到達時刻は、輪島港(輪島市)で16時10分です。
〈第一波到達〉
・輪島港16:10最大波1.2m以上・富山16:13最大波80cm
地震発生と同じ時刻だったんです。津波警報が出るよりも前に到達していたことがわかります。
富山でも、16時13分に第一波が到達しました。地震発生から3分後に到達しているということです。
石川県珠洲市の市役所に設置されているカメラの映像を見ていくと、地震が発生したのが16時10分(震度6強)です。
2分後(16時12分)には、砂煙を上げて建物が倒壊。同時刻には石川県能登に津波警報が発表されました。
住民の方は、もう外に出て避難をしようかというところですね。
そして、地震発生から3分後(16時13分)には、車が海から高台の方に向かって動いている素早い行動もありました。
そして16時22分には、大津波警報の発表(石川県能登)に切り替わったタイミングです。
さらに地震から31分後(16時41分ごろ)には、津波とみられる大波の様子が確認できました。
TBS報道局福島隆史解説委員(災害担当):その様子は30分後くらいに捉えられてるんですけれども、もしかしたら以前にも小さい津波が来ていたのかもしれません。
ポイントは震源が陸地と海にまたがる場所にあったこと
藤森キャスター:津波到達シミュレーションというものがあります。
東北大学災害科学国際研究所の今村文彦教授のグループが、今回のデータを集めて解析したものだそうです。
〈地震発生から津波到達まで〉・珠洲市1分・七尾市2分・富山市5分・上越市12分・新潟市30分(※東北大学災害科学国際研究所の今村文彦教授のグループによるシミュレーション)
地震が起きた16時10分には付近の海面で、押し波・引き波の高さが約1mの動きがあったということで、非常に入り組んだ動きですね。
TBS報道局福島隆史解説委員(災害担当):津波の挙動というのは、高くなったり、低くなったり、非常に複雑に絡み合って押し寄せてきます。
藤森キャスター:しかもこれが、16時10分に地震が起きてから、珠洲市では1分後にはこうした海面の変動がある。七尾市でも2分後。離れた新潟市でも30分後には到達しているそうです。
TBS報道局福島隆史解説委員(災害担当):今回の地震を発生させた震源というのが、陸地と海にまたがっていたというのが大きなポイントだと思います。
非常に陸地に近いところで地震が発生し、津波を起こしたということなんです。
今回の地震では、地下の岩盤が、100kmほどずれている。
海にまたがるようなところに震源があって、それが津波を起こして、陸地にすぐにやってきたと考えられると思います。
藤森キャスター:今後も非常に強い揺れを伴う地震が起きる可能性は高いと言われています。つまり、津波もまた起きる可能性があるということです。
TBS報道局福島隆史解説委員(災害担当):非常に激しい揺れをもたらす地震とともに、地震の規模が大きければ、陸地に近い海底が持ち上げられて、それが津波をもたらすということは十分考えられると思うんです。
藤森キャスター:お伝えしたかったことは警報や注意報が出る前に、この津波を頭の中に入れて行動するようにしていただきたいと思います。
気象予報士の國本さんは何か加えることはありますか。
気象予報士國本未華さん:崩れかけた斜面にさらに雨が降ると土砂災害が起こる可能性もあります。本当にくれぐれも少しの雨でも警戒なさってください。
JNN・JRNでは、「令和6年能登半島地震災害義援金」を実施しております。
JNN・JRN共同災害募金では、この災害で被災された方々を支援するため、皆さまからの義援金を受け付けます。
お寄せいただいた義援金は全額、日本赤十字社を通じて被災地にお届けします。
皆さまの温かいご支援をお願いいたします。
三井住友銀行 赤坂支店口座番号:(普)9830511 口座名 :「JNN・JRN共同災害募金」
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