能登半島で最大震度7を観測した地震で、石川県内では今もライフラインの復旧が進まず、輪島市を中心に14市町で約6万6400戸の断水が続いている。自衛隊などが各地の避難所などに給水車を派遣するが、十分に行き届いていない。県は6日午前の災害対策本部会議で、死者数が98人になり、連絡が取れない安否不明者は211人いることを明らかにした。
被災地では、地震発生から6日目の現在もライフラインや道路の復旧作業が難航している。特に深刻なのが水不足だ。断水が続いている14市町のうち、甚大な被害が出ている輪島市や珠洲(すず)市、七尾市など7市町はほぼ全域で水道が使えない。
6日朝、避難所が開設されている珠洲市立飯田小学校には自衛隊の給水車が到着。給水支援を知らせる校内放送が流れると、空のペットボトルやポリタンクを抱えた避難者らが長蛇の列を作った。
1回の給水量は1人あたり8リットルとされたが、支援を受けた自動車整備士の八木亮さん(50)は「給水に来てもらえるだけでもありがたい。周りの避難者と分け合ってしのいでいる状況です」と話した。
水不足は医療現場も直撃し、石川県内では5日午後の段階で少なくとも11の医療機関で断水が確認されている。珠洲市総合病院などでは水不足で人工透析ができなくなり、約140人の透析患者が金沢市内の病院などに搬送されている。
また、停電も一部地域で解消されていない。県によると、輪島市の約1万戸、珠洲市の約7400戸を含め県内約2万4200戸で停電が続いている。電力大手各社の作業員が現地に入り、設備の被害確認や復旧を急いでいる。
一方、県によると、6日午前8時時点の死者数は、輪島市59人▽珠洲市23人▽穴水町6人▽七尾市5人▽能登町2人▽志賀町2人▽羽咋(はくい)市1人。安否不明者も依然として211人(午前9時現在)に上っているという。
能登半島では地震も続いている。6日午前5時26分ごろにも強い揺れがあり、石川県穴水町で震度5強を観測した。気象庁によると、この一帯で1日夕~6日午前8時に観測された震度1以上の地震は1045回となった。【深尾昭寛、砂押健太、稲生陽】