能登半島地震の被災地で、自衛隊の入浴支援活動が本格化している。地震以降、現地では断水が続き、被災者は入浴もままならない状況が続く。仮設の風呂で避難所生活の疲れをいやした被災者らは「極楽の心地」と喜んでいた。
9日午後、石川県輪島市の輪島中学校の屋外スペースに、自衛隊員らがテントを設置。1回あたり10人ほどが入れる大きさの浴槽を運び込み、10トンタンクに準備した水をボイラーで沸かして湯を流し込んだ。シャワーも設置され、温水と冷水の両方が出るという。
多くの人が地震後初めての入浴とみられ、午後5時の入浴開始前からテントには行列ができた。同市河井町の由野順三さん(83)は「避難生活で風呂に入れるなんて夢にも思わなかった。ありがたい」と話していた。