キーウ訪問の上川外相、同志国の結束必要性を強調…ゼレンスキー氏に「平和の公式」貢献伝える

【キーウ=工藤彩香】上川外相は7日午後(日本時間7日夜)、ウクライナの首都キーウで、同国のウォロディミル・ゼレンスキー大統領と約1時間会談した。上川氏はロシアの侵略を受ける同国が提唱する和平案「平和の公式」の議論に日本が貢献する考えを伝えた。会談後、上川氏が記者団に明らかにした。
平和の公式は10項目で構成される。上川氏は会談で、項目の一つとなる放射線・原子力の安全に関する作業部会で、日本が共同議長国を務めると説明した。ゼレンスキー氏は関係国への働きかけなどで日本の協力を要請した。
日本の外務省によると、ゼレンスキー氏は会談で、能登半島地震の被害にお見舞いの言葉を伝え、上川氏は謝意を示したという。
上川氏は記者団に、「強力なウクライナ支援を継続していくことで、同志国が結束を示す必要がある」と強調した。上川氏は18日までの日程でフィンランド、スウェーデン、米国、ドイツなどを訪問することにしており、ロシアによる侵略の長期化で欧米各国の「支援疲れ」が指摘される中、支援の呼びかけを行う考えだ。
ゼレンスキー氏 日本支援に謝意…「力強いパートナー」

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は7日に上川外相と会談した後、「日本は我々のとても重要で力強いパートナーだ」とX(旧ツイッター)への投稿で強調した。ゼレンスキー氏は、日本による経済や人道支援に謝意を示し、「協力関係が真の戦略的パートナーシップの水準に達したことをうれしく思う」と書き込んだ。
上川氏の訪問に関連し、ウクライナメディアは、対無人航空機(ドローン)検知システムなどを供与するため、日本が北大西洋条約機構(NATO)に約3700万ドル(約54億円)を拠出することに注目した。

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