避難所で勉強続けた受験生「災害に負けたくない」…大学共通テスト始まる

大学入学共通テストが13日午前、全国各地で始まり、能登半島地震で被災した受験生も石川県内の会場で試験に臨んだ。今回の共通テストでは、被災者が受験票を紛失しても受験可能とするほか、石川県内で受験予定だった被災者全員を追試験の対象とするなどの特例措置が講じられた。被災地の受験生は避難所暮らしを強いられながらも懸命に勉強を続け、この日を迎えた。
地震被害が大きかった石川県では、金沢大学など7大学8会場で計5229人が受験する予定だ。
13日朝、雪交じりの雨が時折降る中、試験会場の金沢学院大学(金沢市)では約30人の受験生が開場を待った。受験生は建物のひさしの下で、お守りを握りしめ、かじかんだ手で参考書をめくっていた。
輪島市の県立輪島高校の3年生(18)は、車の中や避難所で受験勉強を続けてきた。「災害に負けたくない。真っ正面から試験に挑んで結果を残したい」と気合を入れた。
大学入試センターは今回、被災した受験生向けに特例措置を講じた。石川県内で13、14日の本試験を受けられなかった被災者全員を27、28日に実施される追試験の対象とし、当初予定していた東京都と京都市の2か所に加え、金沢大学角間キャンパス(金沢市)に会場を設置する。 罹災 証明書などの提出は不要とする。

今回で4回目となる大学入学共通テストは全国668の会場で行われ、13日は地理歴史・公民、国語、外国語が出題される。大学入試センターによると、志願者は49万1914人で、50万人を下回るのは大学入試センター試験として実施された1992年1月のテスト以来。共通テストの結果は全国の短大や私大など計864校の入試で使われる。
2025年1月に実施される共通テストから教科・科目が再編されるため、今回が現行の6教科30科目で出題される最後の試験となる。25年からは教科「情報」が加わり、地理歴史・公民の再編に伴い、7教科21科目へと変更される。

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