静岡県で１９６６年、みそ製造会社の専務一家４人が殺害され、強盗殺人罪などで死刑が確定した袴田巌さん（８７）の再審第７回公判が１７日、静岡地裁（国井恒志裁判長）であった。弁護側は、取り調べの様子を録音したテープを再生するなどし、「袴田さんは犯人に仕立てられた」と訴えた。
弁護側は、県警の捜査記録に「被告人の自供を得なければ真相把握が困難な事件であった」との記載があると指摘した上で、袴田さんの「自白」を得るために、連日長時間の取り調べが行われたと主張した。
取り調べ録音テープの再生では、袴田さんが「無関係だよ」と答えたり、取調官が「死刑になったってしょうがない」などと発言したりする声が法廷に流れた。弁護側は「袴田さんが身体的・精神的に限界だったことは明らかで、自白に落ちてしまった」と述べた。
［時事通信社］