自民党派閥の政治資金パーティーを巡る裏金事件で東京地検特捜部は19日、政治資金規正法違反(虚偽記入)の罪で、安倍派(清和政策研究会)の松本淳一郎会計責任者(76)と二階派(志帥会)の永井等元会計責任者(69)を在宅起訴し、岸田派(宏池会)の佐々木和男元会計責任者(80)を略式起訴した。安倍派から多額の還流を受けた国会議員を含む5人も立件。3派閥の政治資金収支報告書への不記載は総額で17億円超に上った。
岸田文雄首相は「国民の政治に対する信頼を損ねるものであり、極めて遺憾だ。党総裁としておわびする」と官邸で記者団に述べた。
安倍派と二階派は、パーティー券の販売ノルマ超過分を収支報告書の収入に記載せず、議員側に還流していた。特捜部は安倍派の裏金づくりは組織的で悪質とみて、重点的に捜査。実力者「5人組」の松野博一前官房長官、西村康稔前経済産業相、高木毅前国対委員長、萩生田光一前政調会長、世耕弘成前参院幹事長ら幹部議員7人を任意で事情聴取したが、立件できないと結論付けた。