「有料化してでも残す価値ある」「1月開催で鎮魂の思い強まる」…4年ぶり「神戸ルミナリエ」

阪神大震災の犠牲者を悼む光の祭典「神戸ルミナリエ」が19日、神戸市中央区で開幕した。28日まで。コロナ禍での中断を経て4年ぶりの開催で、人気の「光の回廊」を初めて有料化したほか、混雑緩和のために会場を分散し、開催時期を12月から1月に変えた。
中央区内の10か所の会場では午後6時、計約34万個の電球が点灯。メイン会場の「メリケンパーク」に設けられた「光の回廊」(全長約70メートル)では、大きな歓声が上がった。
震災で自宅が損壊した神戸市北区のパート従業員(66)は毎回訪れ、勇気をもらってきたという。「この光は、神戸のように能登半島地震の被災地が必ず復興できると伝えているように思う」と話した。
光の回廊は従来、東遊園地周辺に設置され、入場無料だったが、今回は会場を移した上で前売り500円、当日1000円の入場料を徴収した。主催する組織委員会の財政難の改善につなげるためという。
ルミナリエの見学ツアーで訪れた仙台市太白区の主婦(66)は「震災の記憶を伝える行事は有料化してでも残す価値がある」と語った。
会場はこれまで、東遊園地周辺の1か所しかなく、大混雑していた。今回は会場を10か所に設け、それぞれに光の装飾作品を置いたことで来場者が分散し、混雑が和らいだ。
1月開催について、兵庫県加古川市のパート従業員(65)は「これまではクリスマスイベントのようだった。震災忌後のほうがより鎮魂の思いが強まる」と述べた。
神戸市は今回の内容を検証し、震災30年となる来年のルミナリエのあり方を検討する。

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