大阪府知事や大阪市長を務めた弁護士の橋下徹氏は21日、フジテレビ系「日曜報道 THE PRIME」に出演し、自民党安倍派の裏金事件をめぐり、歴代の事務総長ら派閥幹部7人が不起訴になった経緯を念頭に「政治家の皆さんの言い訳を聞いていて、寒気がする」と批判した。
今回の事件で、幹部らは東京地検特捜部の任意の事情聴取に対し、キックバックの処理について「会長と会計責任者がやりとりする案件だった」などと説明。政治資金収支報告書の虚偽記載について幹部自身が関与を否定し、最終的に会計責任者との「共謀性」が認められるだけの証拠が得られなかったことが、不起訴になった背景とみられている。会長を務めた安倍晋三元首相、細田博之前衆院議長はすでに亡くなっており、安倍氏らに責任を押しつけたような安倍派幹部の対応には、批判の声が多い。 橋下氏は「政治家のみなさんの言い訳を聞いていて、寒気がする。お金を使っているのは、政治家ですよ。ところが、全部、秘書の責任や、『死人に口なし』でお世話になった会長の責任?」と、指摘。「政治家たる者、こういうことになったらだれか1人でも責任をとって辞める人はいないのか。民間企業なら、トップは辞任している」と述べ、今回の事件では不起訴で結果的に「逃げ切り」となった安倍派幹部の対応に怒りをにじませた。
その上で「安倍派の方は防衛力強化ということを言う人が多いが、いざ防衛力を発動した際、全責任を負うのは政治家だ。(今回の経緯を考えた時)この人たちは何か問題があったとき『私たちは現場のことは知らない。それは自衛隊の責任です』という人なのかと思ったら、寒気どころか恐ろしくてしょうがない」と、私見も述べた。