【詳しく】「愛していると言われ振り込んだ」元巡査の女はロマンス詐欺の被害者だった だまされたグループに加担か 佐賀地裁

カナダ人男性医師になりすまし、現金をだまし取るなどの国際ロマンス詐欺に加担した罪で起訴された大阪府警の元巡査の女の初公判が23日、佐賀地裁で開かれました。女は起訴内容を認め、自身もロマンス詐欺の被害者だったことが公判で明かされました。
詐欺の罪で起訴されているのは、大阪府警西成警察署に勤務していた元巡査・大谷優璃菜被告(25)です。大谷被告は去年12月、懲戒免職となっています。
起訴状によりますと、大谷被告は去年7月から8月にかけ、氏名不詳の人物らと共謀しカナダ人の男性医師になりすまして佐賀県の50代の女性とSNS上でやりとりし「母親の容体が悪化したので帰国する必要がある」などとして、航空券代として現金20万円を自分の口座に振り込ませて、だましとったなどの罪に問われています。
23日の初公判で大谷被告は「間違いありません」と起訴内容を認めました。
検察は冒頭陳述で、大谷被告自身が事件直前の去年7月中旬、アメリカ在住の韓国人男性を名乗る人物に70万円を送金し、だまし取られた詐欺の被害者だったと明らかにしました。
そして、被害金を取り戻そうと、自分をだました詐欺グループに加わったと指摘しました。
大谷被告は銀行口座を新たに開設し、そこに被害者から振り込まれた金のうち5パーセントの報酬を受け取って、残りを暗号資産にして指示役の人物に送金していたということです。
大谷被告は自身の被害について「SNS上で甘い言葉や愛していると言われ、プレゼントを送るのに金が必要だと言われ、振り込んだ」と話しました。
また、検察官から今回の事件の動機を聞かれると「やめたい気持ちもあったが、金がなく、報酬に目がくらんでしまったのが1番の理由です」と答えました。
検察は「警察官として詐欺組織の検挙のため捜査を行うのではなく、あろうことか報酬ほしさに犯行に加担した」と指摘し、大谷被告に懲役3年を求刑しました。
一方、弁護側は大谷被告がグループの従属的な立場で詐欺の実行行為には加担していないとして、執行猶予付きの判決を求め、裁判は即日結審しました。
判決は1月31日に言い渡されます。

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