東京都足立区の民家床下に住人夫婦の遺体を遺棄したとして、警視庁は23日、新たにフィリピン国籍の職業不詳の男(34)(茨城県土浦市)を死体遺棄容疑で逮捕したと発表した。事件後に両手のけがで入院しており、現場の血痕のDNA型が男と一致した。警視庁は夫婦と争った際に負傷したとみている。
発表によると、男は今月16日頃、同国籍の女(30)(死体遺棄容疑で逮捕)と共謀し、足立区千住緑町の高橋徳弘さん(55)宅に高橋さんと妻希美江さん(52)の遺体を遺棄した疑い。
捜査関係者によると、男は女のフィリピン時代からの友人で、容疑を認め、「(女を)手伝った」などと供述している。高橋さん夫婦とは面識がなかったとみられる。
夫婦の遺体は住宅1階の洗面所の床下から、シートにくるまれた状態で見つかった。1階には血痕が残っており、警視庁が鑑定した結果、夫婦のほか、男のDNA型がそれぞれ検出された。
遺体には多数の刺し傷のほか、腕には身を守る際にできる「防御創」があった。現場から複数の刃物が見つかっており、このうちの1本には血が付着していた。
両容疑者は事件後、血の付いた衣類や靴を女宅近くに捨てており、警視庁が防犯カメラの映像を分析し、追跡していた。男が事件当日にタクシーで土浦市に移動し、両手のけがで入院したことが確認され、退院を待って22日に逮捕した。
一方、民家から夫婦の財布やスマートフォン、靴がなくなっており、警視庁は両容疑者が夫婦の失踪を装ったとみている。