三遊亭円歌氏に賠償命令=弟子の指導でパワハラ―東京地裁

落語家の吉原馬雀さんが、師匠だった四代目三遊亭円歌氏から暴行や暴言を受けたとして300万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が26日、東京地裁であった。杜下弘記裁判長は「落語界の師弟関係を背景としたパワハラというほかない」として訴えを一部認め、80万円の支払いを命じた。
判決によると、馬雀さんは2009年に円歌氏に入門し、22年に破門された。円歌氏は13~22年、すし店に馬雀さんを呼び出して激高しながら顔面を殴ったり、自宅の玄関先で土下座させて「破門」などと怒鳴りながら頭を殴ったりした。
杜下裁判長は、すし店では警察官が駆け付ける事態になったことなどから、「社会的に許容される範囲を逸脱している」と認定。「落語界の師弟は歴然たる上下関係があり、パワハラなどの可能性をはらんでいる」として、指導の一環だったとする円歌氏の主張を退けた。
馬雀さんは記者会見し、「指導の名を借りたハラスメントが人格権侵害と認められ、安堵(あんど)している」と話した。落語協会のハラスメント対策が不十分とも訴え、改善を求めた。
[時事通信社]

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする