連続企業爆破事件の桐島容疑者名乗る男、神奈川の土木会社に長期間勤務…会社側は知らず

1970年代の連続企業爆破事件を巡り、警視庁公安部が過激派組織「東アジア反日武装戦線」のメンバー桐島聡容疑者(70)(爆発物取締罰則違反容疑で指名手配)とみて事情を聞いている男が、神奈川県の病院に入院前、県内の土木関係の会社で働いていたことが捜査関係者への取材でわかった。公安部は男の身元確認を進め、桐島容疑者が県内に長期間潜伏していた可能性があるとみて捜査している。
捜査関係者によると、男は今年に入り、鎌倉市の病院に入院した。当初は偽名をかたっていたが、25日になって突然、病院関係者に「自分は桐島聡だ」と打ち明けた。胃に末期がんを患っており、「最期は本名で迎えたい」とも話している。
県警から連絡を受けた公安部は25日に病院に捜査員を派遣し、男から任意で事情聴取。入院前に神奈川県内の土木関連の会社で働いていたと説明したため、捜査員が会社に確認したところ、実際に長期間勤務していたことが確認された。男は職場でも偽名を使っていたとみられ、会社側は桐島容疑者の可能性がある人物とは知らなかったという。
公安部は身体的特徴などから、男が桐島容疑者本人の可能性が高いとみている。ただ、桐島容疑者の指紋の登録がないため、親族から試料の提供を受け、DNA型鑑定で身元の確認を進める。鑑定には少なくとも数日がかかるとみられる。
桐島容疑者は74~75年に起きた一連の連続企業爆破事件のうち、75年4月18日夜、東京・銀座の「韓国産業経済研究所」の入り口ドアに手製爆弾を仕掛け、翌19日未明に爆発させた疑いが持たれている。同年5月に指名手配されたが、約49年にわたり逃亡していた。共犯として国際手配されている大道寺あや子容疑者(75)らが海外逃亡しているため時効が停止している。

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