群馬県高崎市の県立公園「群馬の森」にある朝鮮人労働者を追悼する碑の撤去を、県が29日から行政代執行法に基づいて始めることが、関係者への取材でわかった。
碑を所有する「『記憶 反省 そして友好』の追悼碑を守る会」に対し、県が19日付の「代執行令書」で通知した。工事を2月11日まで行うとしており、撤去費用約3000万円を同会に請求するとみられる。
碑は同会の前身の団体が2004年に設置。県は、碑を政治的行事に利用しないことを条件に許可したが、その後、碑の前で集会が催され、政治的行事に利用されたとして、14年に設置の更新を不許可とした。
同会はこれを不服として提訴。18年の1審・前橋地裁判決は、県の処分の取り消しを命じたが、21年の2審・東京高裁判決は、集会で「強制連行」などの発言があり、政治的行事に該当すると指摘。1審判決を取り消して同会側の請求を棄却した。同会は最高裁に上告したが、22年に棄却され、2審判決が確定した。
県は昨年4月、同会に碑の撤去命令を出したが、同会は応じていない。