口約束の3倍超請求、ぼったくり 鳥貴族系列装い業務妨害の疑い

焼き鳥チェーン大手「鳥貴族」の系列店を装って東京・歌舞伎町(新宿区)の路上で客引きをして営業を妨害したとして、警視庁暴力団対策課は29日、いずれも職業不詳、高橋謙治(58)=東京都豊島区西巣鴨2=と、中国籍の張鵬(47)=新宿区下落合3=の両容疑者ら男女計15人を偽計業務妨害容疑で逮捕したと発表した。両容疑者は客引き(キャッチ)とともに、路上で声をかけた客を自らが実質的に経営する居酒屋に誘導し、いろいろな名目で飲食代に上乗せした料金を請求していたという。
他に逮捕されたのは、誘導先の居酒屋従業員やキャッチグループのメンバーら10~50代の男女13人。暴力団対策課によると、高橋容疑者と張容疑者は2022年ごろから、歌舞伎町内で「とりみち」「とりきち酒場」などと店名を変えながら、居酒屋2店舗を経営。鳥貴族の従業員を装ったキャッチらと、組織的に客引きやぼったくり行為を繰り返していたとみられる。
両容疑者らの逮捕容疑は23年3月24日、新宿区歌舞伎町1の路上で、男性らに「鳥貴族はいっぱいなので系列店を紹介しますよ」などとうそを言い、「とりみち」に誘導し、鳥貴族の業務を妨害したなどとしている。暴力団対策課は15人いずれの認否も明らかにしていない。
暴力団対策課によると、2店舗は、勧誘時に口約束した3倍以上の「飲み放題料金」を請求したり、説明のないまま「席料」や「週末料金」を上乗せしたりするなど、悪質なぼったくり行為で不当に利益を上げていたという。両容疑者は準暴力団「チャイニーズドラゴン」の関係者とみられる。暴力団対策課は売り上げの一部が、反社会的勢力の資金源になっていないかなど経営実態を調べる。
鳥貴族を装う客引きなどを巡り、鳥貴族ホールディングスは29日、「17年ごろから、鳥貴族の名前を使った客引きのトラブルを把握しています。『焼鳥屋 鳥貴族』では、客引き行為は一切行っておりません」とコメントした。【林田奈々、遠藤龍】

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