群馬・朝鮮人追悼碑の撤去、海外からも撤去反対の声 200人超署名

群馬県高崎市の県立公園「群馬の森」にある朝鮮人労働者追悼碑の撤去を巡り、海外からも反対や懸念の声が上がっている。慰安婦問題など日韓関係に詳しいドイツ人の日本史学者でドイツ・ボン大学のラインハルト・ツェルナー教授は26日、山本一太知事に撤去の撤回を求める声明を発表し、27日からインターネット上で賛同者を募っている。日本時間30日夕まで学者ら240人の署名が集まった。
声明では「公共の記憶は、社会全体が関与するプロセスでなければならない」と指摘。「記憶と和解の重要性と必要性について合意が得られるまで、在日韓国・朝鮮人を含む市民、歴史学の専門家、政治家らと直ちに公開討論を行うこと」を求めている。その上で「合意が得られないまま碑を撤去することは、日本の歴史的責任を否定し、日韓関係を故意に損ねたと世界の人々に見られる」と警告し、撤去費用を県が市民団体に請求することにも抗議した。
ツェルナー教授は行政代執行による撤去工事が始まった29日、毎日新聞のメール取材に「森を封鎖し、まったく平和的なメッセージを込めた追悼碑を取り壊す映像は、私を傷つけます。そして、日本の評判を傷つけるでしょう」と回答した。数日で200人超の署名が集まっていることには「この問題が国際的に認知されているという重要なサインです」とも記した。
オンライン署名サイト「Change.org(チェンジ・ドット・オーグ)」で実施。期間は「石碑が完全に解体されるまで、あるいは群馬県が石碑の解体を中止するまで」としている。
また、市民団体は、追悼碑の銘板など3枚のプレートが29日に県から受け渡されたと明らかにした。今後、再建などを含めて活用法を考えていくという。【西本龍太朗】

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