36人が死亡した京都アニメーション放火殺人事件で、殺人罪などに問われ京都地裁から死刑判決を言い渡された青葉真司被告(45)=控訴=は30日までに、犠牲になった寺脇(池田)晶子さん=当時(44)=の夫(51)との面会に大阪拘置所で応じた。夫によると、被告は自分の考えが精神鑑定医から妄想と判断されたことに不満を示した。面会した約20分間の大半は一方的にアニメ関連の話をしていた。面会は29日。
夫が面会に応じた理由に関し「何かを発信したかったのか」と問うと、被告は「鑑定医が全てのことを妄想にしてしまった。それを話したい」という趣旨の発言をした。公判で鑑定医は、被告には京アニに小説のアイデアを盗用されたなどの妄想があったと指摘している。
息子は母親を亡くして寂しがっていると夫が伝えると、被告はしばらくの間、申し訳なさそうに頭を深く下げたという。
被告は今後も面会に応じる意向を示した。取材に応じた夫は面会を振り返り「なぜこんなことをしたのか。今後、本音の部分を聞きたい」と話した。