障害者向けグループホーム(GH)の運営会社「恵」が利用者の食材費を過大徴収していた問題で、愛知県の大村秀章知事は2日、同社運営の県内26GHで計約2億1800万円の過大徴収があったと発表した。返還の対象人数は計654人に上るという。
厚生労働省令では、GHは利用者から食材費の実費のみ徴収すると規定している。しかし、県によると、同社GHでは徴収額の3分の1程度の食事しか提供していないケースもあった。
県は同社から「1月までにほとんどの利用者へ返金処理を行ったが、振込先が不明な人などについては終了していない」と報告を受けたという。
調査結果を公表した大村知事は「痩せ細った利用者もいたと言われており、由々しき事態だ。経済的虐待に当たると思う。厳正に対処したい」と述べた。
県はこれまで2月をめどに同社への行政処分を実施するとしてきたが、大村知事は「まだ数カ月を要する見込み」と明らかにした。自治体などが障害福祉サービス事業者に支払う報酬の不正受給がなかったかの調査が続いているという。【酒井志帆】