ごみ出し途中の死亡事故6件、危険な「ごみステーション」見直し検討…中央分離帯にあるケースも

静岡県内で2019~23年の5年間に、ごみ出し途中の交通死亡事故が少なくとも6件あったことが県警への取材で分かった。県内では1月15日、沼津市の県道でごみ集積所のネットなどを準備する当番だった親子2人が死亡するひき逃げ事件が起きており、ごみ集積所の立地や安全確保が課題となっている。
袋井市久能では昨年12月22日午前6時20分頃、道路を横断中だった近くの80歳代女性がバイクにはねられ死亡した。女性は道路をわたって集会場「中久能公会堂」前の集積所にごみを出しに行く途中だった。
現場は片側1車線の市道。最寄りの横断歩道までは80メートル離れていた。近くに住む女性は「横断歩道を作ってほしいという声は以前からあった。設置されていれば事故は防げたのでは」と指摘。近所の男性は「みんな道路を横断してごみを出している。車が途切れる瞬間に走って道路をわたる」と明かす。
県警によると、ごみ出し途中の死亡事故6件のうち、5件は道路横断中の事故だった。いずれも横断歩道がないか、横断歩道ではないところをわたっていたとみられるという。
沼津市では、道路脇のごみ集積所について調査を開始し、危険な「ごみステーション」は設置場所の見直しも検討する方針だ。
ただ、集積所の移転には課題もある。浜松市では21年2月、道路の中央分離帯にある集積所近くで住民がはねられ、死亡する事故が起きた。地元町内会が集積所の移転を検討したが、近所の高齢者からは「遠くなると困る」との声もあり断念した。ごみ収集を管理する市南清掃事業所の担当者は「集積所の場所は自治会で決めてもらうしかない。長年使い慣れた場所の移転は難しい」と話している。

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