麻生派、政策集団として存続する方針を確認…今秋の総裁選にらみ結束を維持

自民党の麻生副総裁が率いる麻生派(55人)は1日、東京・平河町の同派事務所で定例の会合を開き、政策集団として存続する方針を確認した。他派閥が相次ぎ解散を決める中、今秋の総裁選をにらんで結束を保ち、存在感を強めたい考えだ。ただ、派内には運営の見直しを求める意見もあり、安定を維持できるかどうかは見通せない部分もある。
茂木派は例会とりやめ

同派はこの日の会合で、毎週木曜日の例会を当面は今まで通り派閥事務所で開くことを申し合わせた。所属議員同士が昼食を共にしながら、国会日程などの情報共有を図った。麻生氏は、派閥の政策集団への移行をうたった党政治刷新本部の中間とりまとめに沿って運営方針を改める考えを示した上で、「変えるべきものは何か、変えてはならないものは何か。しばらく時間をかけて、しっかりと考えをまとめていきたい」と述べた。
派閥への厳しい視線が強まる中、派閥事務所を維持し、週1回の定例会合を続ける麻生派の対応は他派と一線を画している。茂木派は麻生派と同様、政策集団として活動を継続する方針だが、週1回の例会はとりやめ、運営方法の見直しを進めている。派閥を解散する岸田派は事務所を閉鎖し、政策集団としての活動も行わないことを決めている。
党内最大派閥の安倍派(96人)は政治団体として解散することを決めているため、麻生派は近く、「党内最大集団」となる見通しだ。茂木派で退会者が相次ぐ一方、麻生派は岩屋毅・元防衛相の退会にとどまり、同調する動きは出ていない。秋の総裁選で派がまとまれば、大きな影響を与えることになりそうだ。
不安要素がないわけではない。麻生派は宏池会(現在の岸田派)を離脱した河野洋平・元衆院議長が作ったグループにルーツを持つ。2017年に旧山東派などと合流し勢力を拡大したが、22年には派閥運営を巡る路線対立を背景に、佐藤勉・元総務相ら4人が一斉に派を退会した。派内には政治団体の解散を求める意見もある。
こうした事情もあり、党への逆風が弱まらなければ、「麻生派もこれまで通りの運営を続けられなくなるのでは」(無派閥中堅)との指摘が出ている。
刷新本部にWT 来週にも初会合

自民党の茂木幹事長は1日のBSフジの番組で、党の政治刷新本部にワーキングチーム(WT)を作り、政治改革に向けた党内議論を進める方針を表明した。
茂木氏は「(WTで)人材育成の機能やガバナンスを強化するためにどうしたらいいか検討を進めていきたい」と述べ、結果を党のガバナンスコード(統治指針)に明記すると説明した。
党幹部によると、WTは〈1〉与野党協議を見据えた政治資金規正法改正〈2〉人事制度〈3〉ガバナンスコード――の三つとなる見通しで、来週にも初会合を開催するという。
佐藤信秋議員が茂木派退会意向

自民党茂木派の佐藤信秋参院議員が派閥を退会する意向を固めたことが1日、分かった。同派は麻生派と同様、政治団体を存続させて政策集団として活動する方針だが、派閥への批判の高まりを受けて退会者が相次いでおり、佐藤氏で9人目になる見通しだ。
茂木派からは小渕優子選挙対策委員長や古川禎久・元法相のほか、関口昌一参院議員会長ら参院自民幹部も退会した。
派内からは「けじめとして政治団体を解散した方が良い」との意見も出ており、今後も退会者が出る可能性がある。

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