能登半島地震で甚大な被害を受けた石川県輪島市の重蔵神社で3日、節分の豆まきが行われ、避難所などに身を寄せる地元住民らが集まった。「鬼は外、福は内」。掛け声に合わせて豆や菓子が軽トラックの荷台からまかれると、参加者はうれしそうに手を広げた。
同神社は市中心部にあり、近くの観光名所「朝市通り」では大規模な火災が起きた。住民が集まる憩いの場だったが、地震で拝殿や社務所が全壊。延焼は免れたが、鳥居の一部が壊れたほか、灯籠が倒れるなどの被害が出た。
避難所で生活する無職の60代男性は「足が悪くて来られない知り合いに福豆を渡すために来た。みんなの笑顔が見られて良かった」と話した。
境内ではボランティア団体などによる炊き出しも行われた。子供3人を連れた会社員の40代男性は「自宅の片付けの息抜きになった」と笑顔を見せ、おいしそうに恵方巻きをほおばった。
[時事通信社]