1966年に静岡県でみそ製造会社専務一家4人が殺害された事件で死刑が確定し、再審公判が続く袴田巌さん(87)の支援集会が4日、静岡市で開かれた。警視庁公安部に逮捕され、後に起訴が取り消された機械メーカー「大川原化工機」の大川原正明社長(74)が参加し、「人質司法はおかしい。えん罪事件の温床だ」と述べ、長期間勾留する司法の在り方を批判した。
大川原社長らは2020年、噴霧乾燥機を不正輸出したとして逮捕され、後に起訴が取り消された。東京地裁は昨年12月、捜査の違法性を認め、国と東京都に計約1億6000万円の支払いを命じ、双方が控訴した。
大川原社長は任意段階の捜査について「メモや録音ができず、弁護士が同席できなかった」と指摘。袴田さんも長期間の勾留や厳しい取り調べで自白を迫られたとし、「必要のない身体拘束は否認事件ではえん罪につながる」と訴えた。
[時事通信社]