政策活動費見直しが今国会の焦点…野党の使途公開・廃止主張に自民幹部「何としても守り抜かなければ」

自民党派閥の政治資金規正法違反事件を巡り、今国会では「政策活動費(政活費)」のあり方が焦点となっている。自民は「政治活動の自由を損なう」として、見直すことに消極的だ。野党は使途の公開や廃止を主張し、批判を強めている。
「政治活動の自由と国民の知る権利のバランスで現在の状況になっている」
岸田首相(自民総裁)は6日の衆院予算委員会でこう語り、政活費の早急な見直しは不要との考えを改めて示した。5日の国会答弁では使途を広く公開した場合、〈1〉党の活動と関わりのある個人のプライバシー、企業・団体の営業秘密を侵害する〈2〉党の戦略的な方針が他の政治勢力や諸外国に明らかになる――との懸念を示した。
政治資金規正法では、政治家個人への寄付は原則禁じられているが、政党による寄付は認められている。多くの党はこれに基づき、政活費などの名称で議員個人らに支出している。自民は「国民の税金が原資となっている政党交付金から政策活動費は支出していない」(長島昭久氏)との立場だ。ただ、政治資金収支報告書に使い道を記載する必要がなく、領収書も不要のため、「使途が不透明」などと問題視する声が出ている。
自民は今回の問題を受け、派閥による政治資金パーティーの禁止や、「氷代・餅代」といった所属議員への手当廃止などを打ち出した。自民幹部は「議員の政治活動に支障が出ないよう、自由度の高い政活費は何としても守り抜かなければいけない」と語る。
立憲民主や日本維新の会、共産の3党は廃止を打ち出した。国民民主党は使途公開の義務づけを掲げるなど、野党は政活費の見直しで足並みをそろえている。5日から始まった衆院予算委では野党が追及する場面が目立つ。
立民の岡田幹事長は5日の予算委で、自民の二階俊博・元幹事長が在任中に党から受け取ったとされる政活費約50億円の使途調査を要求し、「全ての政治活動は領収書を切り、ガラス張りにすることが前提だ」と首相に迫った。

公明党の山口代表は6日の記者会見で、自民党派閥の政治資金規正法違反事件を巡り、国会での政治倫理審査会(政倫審)開催について「説明責任を尽くす姿勢が重要だ。実現できるように、国会での(与野党の)合意を作って進めるべきだ」と述べ、前向きな考えを示した。
野党側は、自民の安倍派幹部や二階派の二階俊博・元幹事長の政倫審への出席を求めている。

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