父に懲役20年判決、求刑上回る 実の娘に6年間性的暴行 地裁

実の娘(当時12歳)に性的暴行を加えたとして、強制性交等致傷罪に問われた父親(55)の裁判員裁判で、大阪地裁は8日、検察官の求刑(懲役18年)を上回る懲役20年の判決を言い渡した。田中伸一裁判長は、娘が拒否できない親子関係を利用し、保育園児の頃から約6年間にわたり性虐待が続いていたと指摘。「鬼畜の所業というほかなく、有期懲役の上限(20年)を免れない」と述べた。
判決によると、父親は2022年3~4月に東大阪市の事務所で、娘に性的暴行を加え、複雑性心的外傷後ストレス障害を負わせた。
田中裁判長は、泣いて抵抗する娘を約4時間説教して性的暴行を加えたことや、母親にばれないように自宅ではなく事務所で暴行に及んだ点も重視。「娘の人格を無視し、性欲のはけ口としかみていない点で、極めて卑劣で悪質」と非難した。
娘は精神状態が悪化し、中学校にも通えなくなったといい、田中裁判長は「一人の人間の人生を破壊したとみることも過大な評価ではない」と判断。父親が不合理な弁解を繰り返し、反省の態度を示していないことも量刑の理由とした。【安元久美子】

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