動画サイトで俳優綾野剛さん（４２）らを繰り返し脅迫したとして、暴力行為法違反（常習的脅迫）などの罪に問われた前参院議員ガーシー（本名・東谷義和）被告（５２）の公判が８日、東京地裁（佐伯恒治裁判長）であった。検察側は「インターネットの誹謗（ひぼう）中傷問題を象徴し、極めて悪質だ」として懲役４年を求刑し、弁護側は執行猶予を求め結審した。判決は３月１４日。
検察側は論告に先立ち、「ありもしないことで中傷を受け、ＣＭ契約打ち切りなどの影響は今後も続く。厳重処罰を求めます」とする綾野さんの意見陳述書を読み上げた。
論告では「被告は意に反する者を動画で攻撃する脅迫行為を繰り返しており、常習性は明らかだ」と指摘。配信で１億円以上の収益を得たほか、「中傷をエンターテインメントとする風潮を作出し、模倣した犯行の増加が懸念される」と述べた。
弁護側は最終弁論で、暴力行為法は暴力団員などを取り締まる目的で制定されており、ガーシー被告を同法違反罪に問うのは法律の趣旨に沿わないと主張。同被告は「被害者らに不安や恐怖を与えてしまい申し訳ない。二度としないと誓う」と陳述した。
起訴状によると、ガーシー被告は２０２２年２～８月ごろ、ユーチューブ動画で綾野さんらを脅すなどしたとされる。
［時事通信社］