同じ中学の教師と生徒で“性的関係”から30年以上経て「バレたら全国ニュース、先生も奥さんもここにいられない」と、恐喝300万円の女に懲役3年の求刑 さらに“フラッシュバック”悪化と現金要求くり返し、千枚通しで刺されて発覚

2021年10月、北海道室蘭市で、当時73歳の元教諭の男から現金300万円を脅し取った罪などに問われている49歳と46歳の女2人の裁判…発覚は去年9月、再度、恐喝された元教諭が2人を千枚通しで刺し、殺害しようとした罪で起訴された事件からですが、背景に30年以上まえ、元教諭と中学、高校時代の49歳の女の性的関係があることが明らかにされました。
起訴状などによりますと、室蘭市の五十嵐みゆき被告49歳と、友人の小田桐梨沙被告46歳は共謀し、2021年10月、当時73歳の元教諭、野澤俊重被告から現金300万円を脅し取った恐喝、さらに去年9月、再度、現金などを脅し取ろうとした恐喝未遂の罪に問われています。
野澤被告は去年9月の恐喝未遂の際、2人を千枚通しで刺し、殺害しようとした殺人未遂の罪で起訴されていて、そこから女2人の事件が発覚。
8日午後、札幌地裁室蘭支部で開かれた初公判で、女2人は起訴内容を認め、検察は「野澤被告の自業自得も否定しがたい」としながらも、五十嵐被告に懲役3年、小田桐被告に懲役2年を求刑しました。
野澤被告の「自業自得」とは…検察は、事件の背景などを下記のように指摘しています。
■検察指摘の経緯、事実関係
・野澤被告と五十嵐被告は、同じ中学校で教諭と生徒 ・五十嵐被告が中3時と高1時、性的関係 ・高校は室蘭市外で寮生活の五十嵐被告を、時々、車で送迎 ・性的関係解消後も、五十嵐被告が野澤被告に悩み相談 ・1998年に長男誕生、その後も近況などを年賀状で報告
・長男の高校受験に向けて、野澤被告が家庭教師 ・心筋梗塞を患った五十嵐被告を野澤被告が見舞う
・2021年、五十嵐被告の口座残高2860円、カードローンが約30万円 ・妹分だった小田桐被告に性被害、フラッシュバックなどを相談 ・小田桐被告が野澤被告に問い質すも、否定される
・同年10月、2人で野澤被告宅へ 「バレたら全国ニュースだね、先生も奥さんも、ここにいられないね」 「弁護士を介して、話し合えば?」 「面倒くさいよね」 「弁護士に払うくらいなら、直接お金を渡す」と野澤被告 「誠意を見せろ!」 ・後日、野澤被告の妻から現金300万円
・2022年8月、再び口座残高4700円ほど、カードローン約30万円 ・野澤被告に電話するも「もう、うちには金がない」と着信拒否の設定
・去年9月26日、小田桐被告に性被害のフラッシュバック悪化を相談 ・小田桐被告が野澤被告に電話するも「もう、うちには金がない」 ・同日、野澤被告宅に行って、千枚通しで刺される
これに対し弁護人は、五十嵐被告について「野澤被告の行為は、今で言うところの不同意性交罪。厳しい非難に値する。野澤被告とは示談も済み、今後、関わらないことも約束。息子が同居して支え、夫も離婚しない意向で、精神的に頼るところがある」。
さらに、小田桐被告についても「主犯格でなく、野澤被告からお金も受け取っていない」などとして、2人に執行猶予付きの判決を求めました。
その後の被告人質問で、五十嵐被告は下記のように話しました。
■五十嵐被告への被告人質問
<弁護人とのやりとり>
・(性被害は、どこで?)主に車の中、あとはラブホテル ・自分が苦しんだことについて、先生に考えて欲しい気持ちがあった ・「自殺して欲しい」とかは思ってない ・(金の配分は?)小田桐被告にはガソリン代、子どもたちのお菓子代として1万円
・(2022年に再度、電話した時のやりとりは?)「もう、うちにはお金はないぞ。心臓の手術代も渡したんだから」と
・(2023年になって、また電話の理由は?)ジャニーズの性加害問題が頻繁に出るようになって、辛くて…(泣き出して声にならず) ・小田桐被告が電話すると、野澤被告が「おまえは(親族を)殺した」などの暴言 ・それを謝らせたい、病院に行きたい気持ちをわかって欲しくて家に ・(野澤被告側も辛く、圧力を受けたのを理解?)できます。本当に酷いことをした。小田桐被告も巻き込んでしまった
<検察とのやりとり>
・(性行為は強要された?)強要されてないが、子どもだったので大人の圧があった。断れないような… ・(同意はしてた?)私からしたら不同意ですけど、怖くて言えなかった ・(性被害のフラッシュバックとかは、いつから?)鮮明に覚えてないが、30歳すぎてから。酷くなってきたのは、40歳を過ぎてから ・(当時、嫌な気持ちは?)家に帰って泣いていた
・(車で送迎してもらってた?)頻繁ではないですけど、片道1時間かかるので ・(嫌な先生に送り迎えは嫌じゃない?)本当に矛盾しているなと思います。“足”に使っていたという感じ ・(心筋梗塞で入院時、連絡とって見舞いに来てもらってますよね?)先生も心臓の病気があったので ・(その時、フラッシュバックはない?何とも思わなかった?)すいません… ・(30歳前後に精神科を受診、フラッシュバックは相談しなかった?)恥ずかしくて、言えなかった
このあと、小田桐被告も被告人質問で「性被害を打ち明けられ、助けたかった。先生にわかって欲しかった。恐喝になるとは思わなかった」などと説明。
最後に2人は揃って「本当に申し訳ありませんでした」と野澤被告や家族らに謝罪しました。判決は、16日に言い渡されます。
一方、殺人未遂の罪で起訴された野澤被告の公判は、未定となっています。

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