無期懲役を求刑 おば殺害し現金約20万円奪ったか 6年後に逮捕の被告は無罪主張 物証乏しく状況証拠の判断が焦点

北海道・釧路地裁で14日開かれた強盗殺人事件の裁判員裁判で検察側は無期懲役を求刑しました。
強盗殺人の罪に問われているのは田中治樹被告51歳です。
起訴状によりますと、田中被告は2016年1月、釧路市愛国西2丁目の住宅で、この家に住むおばの田中弘子さん(当時80)の頭を鈍器のようなもので数十回殴って殺害し、現金約20万円を奪ったとされています。
きょうの裁判で検察側は事件前後の時間帯に田中被告が運転した車が犯行現場の近くを行き来するのが防犯カメラに映っていた事や、
弘子さんから奪った金の一部がATМに入金されているなどと状況証拠の積み重ねから犯人は田中被告としました。
一方の弁護側は防犯カメラの車の映像は似ているが同一かは不明で田中被告が乗っていることも確認できない。
犯行時間と推定できる約25分間に金づちで40回以上殴り、返り血をキッチンで洗い流して着替え、金を物色して奪って逃げるのは無理がある」などと主張し、裁判員に「疑わしきは被告人の利益に」と訴えました。
裁判では殺害された弘子さんの娘が「裁判で疑いが強まった。母に別れを言えず田中被告が事件の真相も明らかにせず残念。生涯許すつもりはなく最大限の刑罰を与えて欲しい」涙ながらに訴えました。
最後に裁判長から言いたいことを聞かれた田中被告は、付けていたマスクを外し用意してきた文章を読み上げました。
「自分のだらしなさや嘘を重ねた自己中心的だった事から疑われた。でも私はやっていません。権力(警察や検察)による不当な圧力もあった。私は田中弘子さんを殺していませんしお金も盗っていません。」
判決は3月4日で検察側が積み重ねた状況証拠を裁判官と裁判員がどのように判断するかが焦点です。

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