宝塚歌劇団の 宙 組に所属する女性(25)が死亡した問題で、歌劇団を運営する阪急電鉄の親会社、阪急阪神ホールディングス(HD)の角和夫会長(74)が、この問題に関する管理責任を認め、遺族に直接謝罪する意向を示していることが関係者への取材でわかった。遺族側は、阪急阪神グループのトップとして角会長の謝罪を求めていた。
歌劇団は昨年9月に女性が死亡した後、弁護士に経緯や背景について調査を依頼。同11月に公表された調査報告書では、長時間の活動や上級生による指導などによる心理的負荷がかかっていたことを認める一方、上級生らによるパワーハラスメントは確認できなかったとしていた。
これに対し、遺族側は昨年12月、暴言や 叱責 など15件のパワハラ行為があったとする意見書を歌劇団側に提出。両者は協議を続けている。
協議の中で、遺族側はパワハラ行為があったことを認めると同時に、グループのトップで、死亡当時に歌劇団の理事を務めていた角会長に謝罪を求めていた。
関係者によると、角会長は、両者の協議がまとまり、遺族と面会する場が設けられた場合、管理責任があったなどとして、謝罪する意向を示しているという。阪急電鉄の社長ら幹部も謝罪する方針。
歌劇団側は、遺族側の主張を踏まえ、パワハラと指摘があった事案などについて精査を続けており、今月中に改めて遺族側と面談をする見通し。
角会長は今月8日、京都市内で記者団に「2月中には何とか(遺族側との)話し合いがまとまれば良いと思っている」と述べていた。