静岡県島田市で1954年、女児が連れ去られ遺体で見つかった島田事件で、死刑確定後に再審無罪となった赤堀政夫(あかほり・まさお)さんが22日、名古屋市内の施設で亡くなったことが、関係者への取材でわかった。94歳だった。
殺人などの容疑で逮捕された赤堀さんは、60年に最高裁で死刑が確定。第4次再審請求が認められ、静岡地裁が89年に無罪を言い渡した。死刑囚が再審無罪となった4事件のうちの一つ。
静岡地裁で再審公判が続く袴田巌さん(87)の姉ひで子さん(91)は「お互い励まし合いながら闘ったことを思い出します。ご 冥福 をお祈り申し上げます」とコメントした。
赤堀さんの弁護団の一員だった河村正史弁護士は「よくここまで長生きしてくれた。赤堀さんの存在は、袴田さんとお姉さんの力になっていた」と話した。