日大アメフト部の薬物所持事件 あと1人書類送検で捜査終結へ

日本大アメリカンフットボール部員を巡る違法薬物所持事件で、警視庁薬物銃器対策課は26日、廃部となったアメフト部に所属していた学生や、部OBの卒業生の計6人を麻薬特例法違反(所持)容疑で書類送検した。捜査関係者への取材で判明した。一連の事件で逮捕・書類送検された学生や卒業生は計10人となった。
捜査関係者によると、薬物銃器対策課は今後、さらに学生1人を同じ容疑で書類送検し、捜査を終結する方針。
26日に書類送検されたのはアメフト部員だった3年生の学生4人と卒業生2人。いずれも20代の男性で、2023年2~6月に東京都内で違法薬物と知りながら大麻とみられる薬物を所持した疑いが持たれている。
事件を巡り、警視庁は23年8月、東京都中野区にあったアメフト部の寮を大麻取締法違反容疑などで家宅捜索し、2日後に男子部員1人を逮捕した。この部員は覚醒剤を麻薬だと誤認して所持したとして麻薬取締法違反(所持)に問われ、執行猶予付きの有罪判決が確定した。
他にも、違法薬物を購入したとする麻薬特例法違反容疑でアメフト部員2人が逮捕され、いずれも略式起訴となり罰金刑が確定。さらに違法薬物を所持したとする同法違反容疑で別の部員1人が書類送検され、不起訴処分となった。
日大は1人目の部員が逮捕された当初、「1人の学生の不祥事」(林真理子理事長)との認識を示した。しかし複数の逮捕者が出る事態になったうえ、8月下旬にあった学内会議で計11人の部員に大麻を使用した疑いがあると報告されていたことも明らかになった。
寮への調査で大麻とみられる植物片が見つかったにもかかわらず警察への報告が12日後になったことなど、大学側の一連の対応を検証した第三者委員会は23年10月に「大麻が拡散しているリスクに目をつぶった」と指摘する調査報告書を公表した。これらの責任を問われ、沢田康広副学長が23年末で辞任。酒井健夫学長も年度末での辞任が決まっており、林理事長は減給50%(6カ月)とする処分を受けた。
アメフト部は1月に廃部の手続きを終え、日大は2月15日付で関東学生アメリカンフットボール連盟を退会した。
今回の書類送検について日大広報課は26日夕、「事実確認できていない」としたうえで「事実であれば大変遺憾で、厳正に対処してまいります。全学を挙げて、違法薬物の追放に取り組んでいくとともに、学生の健全な学修環境の構築を図ってまいります」とコメントした。【遠藤龍、林田奈々、李英浩】

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