別の男性になりすました上で、インスタグラムのダイレクトメッセージを使い、知人女性に脅迫やリベンジポルノを行ったとされる美容師の男。2月27日、大阪地裁は男に懲役3年執行猶予4年の有罪判決を言い渡しました。 美容師の山本紘平被告(31)は、以下の罪に問われていました。 ▽去年3月~4月、被害女性に対し、インスタグラムのダイレクトメッセージで「今日家においで」「来ないなら分かってるよね」などと面会を要求。“応じなければ、女性が勤務する美容室の関係者や友人に性的な画像を送る”と脅し、実際にそうした画像を店長らに送った罪(強要未遂・脅迫・リベンジポルノ防止法違反) ▽去年5月、その美容室のインスタグラムの偽アカウントを作り、同じ被害女性の性的な画像や、卑猥なメッセージを投稿。美容室が性的なサービスを提供していると誤解される状況を作り、対応を余儀なくさせた罪(信用毀損・偽計業務妨害) 山本被告はこれまでの裁判で、起訴内容を認めていました。 ▼交際継続を拒まれ… 他の男性になりすましメッセージ送信 大阪府警がその男性を「誤認逮捕」 山本被告は、被害女性から交際の継続を拒まれていたものの、なんとか気を引こうと犯行に及んだとみられていて、別の男性になりすまして被害女性にメッセージを送っていました。 なりすまされた男性は、大阪府警に2回も誤認逮捕され、合計で40日以上も勾留されました。最終的にこの男性については、大阪地検が去年8月、「嫌疑なし」として不起訴処分にしています。 ▼「強い執着心に根ざした極めて自己中心的な動機」検察側は懲役3年6か月を求刑 検察側は「複数の携帯電話機を入手し使用するなど、発覚を免れるための行動に及んでいて、巧妙な犯行」「経緯・動機は、被害女性に対する強い執着心に根ざした極めて自己中心的なもので、酌むべき点はない」として、懲役3年6か月を求刑していました。 一方で弁護側は、被告が再犯防止のためのカウンセリングを受けているなどとして、執行猶予付きの判決を求めていました。 ▼判決は懲役3年・執行猶予4年 大阪地裁(三澤節史裁判長)は2月27日の判決で、「動機に酌量の余地はなく、被害女性に多大な精神的苦痛を与えた」と糾弾した一方で、「受け入れられなかったが女性側に100万円の被害弁償を申し入れるなど反省の態度を示し、母や妻も監督を約束している」などとして、山本被告に懲役3年・執行猶予4年を言い渡しました。