大阪府知事や大阪市長を務めた弁護士の橋下徹氏は3日、フジテレビ系「日曜報道 THR PRIME」(日曜午前7時30分)に出演し、1日の衆院本会議で行われた小野寺五典衆院予算委員長解任決議案の趣旨弁明で、立憲民主党の山井和則議員が3時間近い「引き延ばし戦術」を行ったことに、厳しい苦言を呈した。「こういう政治をやめてくれというのが、多くの有権者の声だと思いますよ」と指摘した。
2月29日の衆院予算委理事会で、2024年度予算案を1日に採決する日程を小野寺氏が職権で強行的に決定したことに反発した立民は1日、小野寺氏への解任決議案を提出。山井氏が本会議での趣旨弁明に立ったが、白の大きな紙袋を演壇まで持ち込んでその中から大量の資料やファイルを取り出し、自民党の「裏金議員リスト」を読み上げたり、自身の留学時代の話題などに言及するなどして、予算案審議をさせないよう時間を稼いだ。こうした「先延ばし」ともいえる長時間演説は「フィリバスター」と呼ばれ、以前からあるが「時間の無駄」として批判的な意見が多い。
橋下氏は「野党は、自民党を攻める最大のチャンス。昭和の時代のこういうやり方ではなく、国民世論を引きつけるような提案、弾をぶつける(ことが必要)。こういう政治をやめようというのが今の世論なのに、完全につかみ損ねている」と、立民の国会戦術に疑問を呈した。
「岸田さんのリーダーシップがないということは、いろいろなところでいわれているが、立憲民主党の泉(健太)代表のリーダーシップもまったくないと、僕は思う。本当に野党はチャンスを逃していると思う」との認識も示した。山井氏の発言中に、国民民主党が一時本会議を退席するなど、野党内でも対応を疑問視する動きがあった。
山井氏の趣旨弁明は最終的に2時間54分に及び、これまでの衆院最長記録だった立民・枝野幸男議員の2時間43分(2018年7月20日)を超え、史上最高の「珍記録」に。結局、24年度予算案は2日に衆院を通過した。